Lumière Ⅰ

リュミエール Ⅰ
 
リュミエール・ジャポン

「身近なクラシックの演奏会の提供」を目的として1998年に結成された、女性だけの演奏家グループ〈リュミエール〉。〈ライブ〉のコンサートの実施をコンセプトに、〈エレガント〉をモットーとして、これまで活動してきました。そして2021年1月、その選抜メンバー6組による〈リュミエール・ジャポン〉によるCDをリリースします。クラシック専用レーベル〈Parfait Classics(パルフェ・クラシックス)〉第1弾。

アーティスト名 : Lumière Japon
CDタイトル : Lumière I
発売日 : 2021年3月13日(水)
価格: 3,300円(消費税込)
品番 : PCFL-0001
レーベル : Parfait Classics

収録曲

 

坂本リサ & 坂本彩 (ピアノ・デュオ)

 ドヴォルザーク:「ボヘミアの森より」Op.68~
   1.「糸紡ぎ」
   4.「待ち伏せ」 
   6.「騒がしい時」
 

温井杏奈 (フルート)  官尾美保(ピアノ) 

 ドビュッシー:シリンクス              
 フォーレ:シシリエンヌ Op.78 
 フォーレ:子守歌 Op.16

齋藤里菜 (ピアノ)

 ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-14
 スクリャービン:マズルカ ホ長調 Op.25-4
 

加藤菜生 (チェロ)

 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007~ 
   プレリュード
   サラバンド
   ジーグ                
 カサド:無伴奏チェロ組曲 ~Ⅰ
 

前田奈緒 (ヴァイオリン)  官尾美保(ピアノ)

 サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op. 28
 

和田絢子 (ピアノ)

 ラヴェル:「夜のガスパール」~「スカルボ」
 

演奏者

 
坂本リサ & 坂本彩  (ピアノ・デュオ)
温井 杏奈 (フルート)
齋藤 里菜  (ピアノ)
加藤 菜生 (チェロ)
前田 奈緒 (ヴァイオリン)
和田 絢子  (ピアノ)
 

曲目解説

 

ドヴォルザーク:「ボヘミアの森より」Op.68

 アントン・ドヴォルザーク(1841~1904年 チェコ)はボへミアを代表する作曲家であり、民族色強い作風から「国民楽派」とよばれ、のちにアメリカに渡り、新世界交響曲などの名作を残すことになる。
 この「ボヘミアの森より」は渡米前、出版社から比較的わかりやすいピアノ連弾曲作品を、との依頼により、1883~84年に作曲された。全6曲からなり、それぞれに表題がついている。今回はその中から第1曲「糸紡ぎ」、第4曲「待ち伏せ」、第6曲「騒がしい時」の3曲が取り上げられた。
 

ドビュッシー:シリンクス

 クロード・ドビュッシー(1862~1918年 フランス)により1913年に作曲されたソロ・フルートのための作品で、当初は、劇の付随音楽として舞台袖で演奏される作品とされ、作品名も「パンの笛」と名付けられていたが、のちにギリシア風に「シリンクス」と呼ばれた。「シリンクス」はギリシア神話のアルテミスの従者であるニンフの名。
 

フォーレ:シシリエンヌ Op.78

「シシリエンヌ」はもともと「シチリア風の」を意味するフランス語で、ゆるやかな6/8拍子か12/8拍子の舞曲である。ガブリエル・フォーレ(1845~1924年 フランス)はこの作品をもともとチェロとピアノのために書いたともいわれているが、その後とくにフルートで演奏されることが多くなった。管弦楽の組曲「ペレアスとメリザンド」の中にも置かれ、そこでもフルートがソロを担当している。1893年頃の作品。
 

フォーレ:子守歌 Op.16

 フォーレの比較的初期、1880年頃の作品で、当初ヴァイオリンとピアノのために作曲されたといわれている。子守歌ではあるが、童謡風、民謡風というよりは、どちらかというと優美で洗練された、動きのある曲調をもつ。

ラフマニノフ:ヴォカリーズ Op.34-1

 セルゲイ・ラフマニノフ(1873~1943年 ロシア)は優れたピアニストとしても有名であったが、作曲家としてはピアノ曲のみならず交響曲やオペラのほか、歌曲も多く残した。ヴォカリーズ、つまり歌詞のない母音のみで歌われるピアノ付き歌曲であるこの作品は1915年頃に作曲された。
 その優美で哀愁に満ちたメロディーは印象的で、さまざまな楽器での編曲版がある。これはピアノ独奏用の編曲版。

 

スクリャービン:マズルカ ホ長調 Op.25-4

 アレクサンドル・スクリャービン(1872~1915年 ロシア)は〈コサックのショパン〉といわれたロシアのピアニスト・作曲家で、多くのピアノ作品の他、交響曲も残した。
 ピアノ曲ではショパンに大きな影響を受け、前奏曲、練習曲、即興曲、ノクターン、ワルツ、スケルツォなどショパンが確立した形式での作品を多く残していて、1898年頃に作曲されたこのマズルカもその一つ。

J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調 BWV1007

 無伴奏チェロ組曲はヨハン・セバスチャン・バッハ(1685~1750年 ドイツ)がケーテンの宮廷楽長を努めた頃、すなわち「ケーテン時代」の1720年頃の作品で、同時期には無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータなど、器楽曲が多く作曲されている。
無伴奏チェロ組曲は全6曲からなり、いずれも前奏曲とそれに続く5つの舞曲からなる。今回収録されたのは第1番より3曲で、プレリュードは前奏曲、サラバンドは3/4拍子の荘重な舞曲、ジーグは、6/8拍子の軽快な舞曲。
 

カサド:無伴奏チェロ組曲

 ガスパール・カサド(1897~1966年 スペイン)は、スペイン・カタルーニャの首都バルセロナ出身のチェリスト・作曲家であり、見出したのは同じカタルーニャ出身の近代チェロ奏法の巨匠パブロ・カザルスで、この作品もカザルスに捧げられた。1926 年頃の作品。全曲は3つの楽曲からなり、今回は第1曲を取り上げた。冒頭に「前奏曲-幻想曲」とあり、特殊奏法も含めて技巧的には高度であるが、スペイン情緒、カタルーニャの哀愁を強く感じさせる隠れた名曲である。
 

サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 Op. 28

 「動物の謝肉祭」などで知られたカミーユ・サン=サーンス(1835~1921年 フランス)は、「ツィゴイネルワイゼン」の作曲者で当時有名だったヴァイオリニスト、サラサーテの演奏技術に感嘆し、彼のため1863~68年に書いたのがこの作品である。もともとヴァイオリンと管弦楽のための作品で、初演もサラサーテの独奏、サン=サーンスの指揮で1872年にパリで行われた。ピアノ版(ビゼーによる編曲版)でもよく演奏され、今回もその版が使用されている
 

ラヴェル:「夜のガスパール」

 「夜のガスパール」はもともとフランスの詩人、ベルトランの詩集のタイトルで、この作品からインスピレーションを得たモーリス・ラヴェル(1875~1937年 フランス)は、この中から3篇、「オンディーヌ」「絞首台」「スカルボ」を選び、そのイメージから3曲からなるとピアノ組曲を1908年に作曲した。初演は1909年パリで行われた。
 第3曲「スカルボ」は、悪戯好きの妖精「スカルボ」が部屋の中でめまぐるしく動き回る様子を表現したもので、ピアノ作品中、技術的に最も難しいもの一つとされ、難曲として有名である。